掃除機嫌いを克服!オヤツを使ったしつけ方

 

掃除機が大の苦手というワンチャンは意外に多いものです。

中には掃除機が動き出した途端に激しく吠えだしたり、掃除機を破壊するまで攻撃してしまうタイプもいるほどです。

でも犬のいる暮らしは抜け毛の悩みが常に付きまとい、掃除機が1日に何度も登場することもあるほどです。

今回は苦手な掃除機を何とか克服する方法を詳しくご紹介させていただきます。

克服するために、苦手な理由を知っておく

愛犬の掃除機嫌いを克服するためには、なぜ愛犬が掃除機を嫌っているのか、その理由をしっかりと理解しておくことが大切です。

犬が掃除機を嫌う理由は

 

・騒音が苦手

・長く伸びるホースを気味悪いと思っている

・飼い主の後をついて歩く掃除機を不快に感じている

・自分を攻撃していると勘違いしている

 

などの理由が挙げられます。

愛犬にとって掃除機は正体不明な相手なうえに、大きな音を出し、家中を走り回る存在です。

その上、神出鬼没で登場すると大好きな家族の後をついて回るのですから、嫌いや苦手と感じるのも当然です。

特に生後間もない子犬にとって、ペットショップから新しい家へ迎えられ、その場で初めて掃除機を目にすることも珍しくありません。

正体不明の相手に不快感を抱いてしまうと、その後次第に大きなトラウマになり、気がつけば掃除機を見ただけで警戒したり、攻撃したりと次第に状況は悪化します。

これからは愛犬が掃除機を前に、どんなことを考えているのか?を想像してみてください。ただ無暗に愛犬を叱るだけでは、掃除機嫌いの克服はできず、ますます掃除機嫌いを加速させてしまうので注意しましょう。

■掃除機を克服する2つの方法

犬も人間同様で性格は色々なタイプがいるので、苦手克服も1つの方法ですべての犬に効果を期待できるわけではありません。

愛犬の性格はもちろん家族の生活スタイルなども考えながら、我が家にとってのBESTな解決法を見つけてゆきましょう。

実際に掃除機嫌いを克服する方法は下記の2つがあります。

 

・オヤツを使って根気強く掃除機に慣れさせる

・クレートを使い、愛犬に避難と待機を教える

 

つまり家族が掃除機を使っている間、愛犬にまるで気にせず過ごす方法を教えるという解決法ともう1つは愛犬の苦手意識を受け入れ、克服するのではなく、どうやり過ごすのか、苦手な物からどうやって身を守るのかを愛犬に教えるという方法です。

もし愛犬が

 

・怖がり

・警戒心が強い

・掃除機に気がつくとパニックを起こしてしまう

・家族が興奮する愛犬に手を焼く

 

というタイプの場合は、逃げ場を作り愛犬に避難方法を教えるという解決策がオススメです。

ただどちらの方法も家族が根気強く繰り返し教えることで初めて効果を実感できるということは念頭に置いておいてください。

 

■解決法①掃除機への警戒心を払拭する方法

掃除機はテレビなど他家電製品と違い、常に生活の中に存在するものではありません。

家族が使用する時にだけ稼働し、大きな騒音を立てるので愛犬にとっては神出鬼没な存在です。

だからこそ、いざ掃除機が登場すると、愛犬は臨戦態勢になり攻撃的な態度をとってしまいます。

このような愛犬の誤解や警戒心を払拭するには、掃除機が常に身近にあるもの、危険な存在ではないことを愛犬に理解させることが効果的です。

具体的には

 

・掃除機は常に愛犬から見える場所に置いておく

・使用しない時間でもあえてスイッチを入れ、稼働音をさせておく

・掃除機の傍でオヤツやフードを食べさせる

・掃除機の上にオヤツをおき、愛犬が自力で取れるよう促す

 

このように、しつけだからと家族が力むことなく、愛犬に掃除機との距離を縮めてもらう練習を重ねます。

ステップ①

もちろん最初は掃除機を怖がってしまうの、スイッチを入れず、ただリビングに掃除機を出したままで放置してください。

掃除機の傍にオヤツやフードが置かれていると、愛犬は食欲につられ何とかオヤツを入手しようと頑張ります。

この時、掃除機に近づいても危険が無いことやオヤツなどを横取りされないということを愛犬自身が理解します。なんども繰り返しているうちに、掃除機への警戒心が徐々に薄れてゆきます。

愛犬が掃除機に吠えたり、臭いを嗅ぐこともありますが、あえて家族が叱ったり、声をかける必要はありません。

愛犬は恐怖を感じながらも自分なりに相手の存在を確認し、危険が無いかを見極めているからです。

ステップ②

掃除機が稼働していない状態で、掃除機の存在を意識せず過ごせるようになったら、次はスイッチを入れ稼働音をさせてみましょう。

この時もあえて掃除機は動かさずにただ稼働音をさせるだけで十分です。

これまでと同じ様にオヤツを食べることに挑戦してもらいます。

ステップ③

いずれの方法も習得できたら、次は掃除をしながら愛犬に掃除機に慣れてもらいます。

家族が掃除機を使い始めると、途端に愛犬も興奮モードになることでしょう。

そのような時、使用中の掃除機の周りにオヤツやフードをまいてください。

掃除をしながらオヤツやフードをまくのですから、掃除の意味が無いようにも感じますが、愛犬が掃除機に慣れるまでのトレーニングですから、気長に付き合ってゆきましょう。

これまで通りに掃除機を追いかけ、攻撃しようとした愛犬にとって、周囲にオヤツやフードがまかれることは予想外です。

いつものように掃除機に吠えていたり、興奮や噛みつきをしている間はオヤツはまきません。

愛犬が一瞬でも落ち着き、冷静になった瞬間を見計らいオヤツをまきます。

この方法を繰り返すことで、愛犬はどうすればオヤツをもらうことができるのかを学習します。

オスワリのできる犬であれば、飼い主がオスワリの指示を出し、座った瞬間にオヤツを与えるという方法も効果的です。

これまで苦手意識が強く、攻撃することで撃退しようとしていた掃除機をこれからは、いい物に認識を変えさせる方法です。

もちろんこれまでのトラウマがあるので、数回の練習で簡単に克服できるものではありませんが、繰り返し教えることできっと愛犬も状況を理解できるはずです。

■解決法②掃除機使用中の待機場所を教える

掃除機を使い始めた途端に激しく吠えたてたり、ホースや電源コードに噛みついたり、中には家中を全速力で走りまわるタイプの犬もいるでしょう。

このような騒音は近隣への迷惑にもつながり、家族も気長にしつけに取り組んでいるわけにもいきません。

犬にも先天的な性格があるので、中には恐怖心をどうしても克服できないタイプもいます。

そのような犬には、掃除機と戦うことや慣れることを一切不要と教える方法が効果的です。

具体的には、掃除機を使用している間、どこでどう過ごせば安全かということを愛犬に教えます。

この方法を実践するためには、愛犬のサイズにあったクレートを用意しましょう。クレートが無い場合は、キャリーバックでも代用可能です。

クレートのサイズは、愛犬が身をかがめてやっと立ち上がることのできる高さと適度な横幅です。

決してサークルの様に広々としたスペースを確保する必要はありません。

持ち運びができるサイズであれば、掃除機を使用する時間にだけリビングに設置してもいいでしょう。

家族が掃除機を使用している間、愛犬はクレート内で待機させます。狭く薄暗い場所に隠れ過ごす方法は犬の野生の習性に基づいています。

危険な対象からひっそりと身を隠すことで何より自分の命の安全を確保できます。

これまで家の中を自由に歩き回っていたからこそ、掃除機が登場すると追いかけ、吠え、攻撃をしていたのですから、クレートに入れることで行動範囲が物理的に制限されることで、もう掃除機を追いかけることもできません。

クレート内であれば、多少吠えても暴れても近隣の騒音にまではならないでしょう。あまりに大声で吠える場合は、クレート上にバスタオルなどをかけると騒音を軽減することができます。

この方法を愛犬に習得させるには

ステップ①

クレートをリビングなど愛犬が普段過ごす場所に設置し、ハウスという言葉の合図で出入りする練習を繰り返す。

この時、愛犬に無理強いしてはいけません。

オヤツやフード、オモチャを内部に転がし入れ、愛犬が自ら入るように促します。

クレートに入口扉はいつでも空いたままに設置しておくこと、中に愛犬のタオルやマットを置くことでベッド代わりに使うことができまでに習得できれば理想的です。

ステップ②

掃除機を使い始める前に、愛犬をクレート内に誘導します。クレートの扉を閉め、扉の隙間からオヤツなどを転がし入れておきましょう。

この状態で掃除機を稼働させます。

クレート内で愛犬が興奮したり、吠えてもあえて家族は声を掛けません。鳴き声がうるさいと感じる時は、黙ってバスタオルなどで多い、騒音を軽減しましょう。

愛犬が大人しくクレート内で過ごせているタイミングで名前を呼ぶ、褒めるなどの声掛けをしたり、扉の隙間からオヤツなどを転がし入れてあげましょう。

ステップ③

掃除機を使い終え、片付けまで完了した時点でクレートの扉を開け、愛犬をクレート外へ出してあげましょう。

この時、愛犬の興奮がおさまっていない場合は即座にクレートの扉を開けてはいけません。しばらくの間、愛犬はクレート内で過ごさせ、昼寝をしたり、愛犬の興奮がおさまるまでそのまま過ごさせます。

愛犬が普段通りの様子に戻っている状態で、クレートの扉を開けることが成功へのカギです。

愛犬にとって、本来であれば追いかけ、攻撃したい対象である掃除機が目の前にあるものの、行動範囲を制限されていることは決して納得のいく状況ではありません。

しばらくの間はクレート内で激しく興奮した様子を見せることもあるでしょう。

でも何度も繰り返し教えることで、愛犬はクレート内で暴れても意味がないということを覚えます。

同時にクレート内で過ごしていることが身の安全につながっているということも理解できます。

愛犬がこの2つをしっかりと理解できるように、家族は掃除機を使用する時は必ずクレートに愛犬を誘導するというルールを忘れずに実行してください。

■実は危険な家電製品!電源コードの噛みつきは危険

実は家電製品はペットが噛むことを想定し製造されていません。掃除機はもちろんテレビや洗濯機などあらゆる家電製品の電源コードをもし犬が噛んでしまうと、ものの数秒で中の電線が露出し、通電している場合は感電や火災など深刻な問題にもつながります。

愛犬が掃除機嫌いを完璧に克服できるまでは、掃除機を使用しない時間は常に愛犬の目が届かない場所に保管しましょう。

もし愛犬が電源コードの一部でも噛みつき、破損させてしまった場合は、掃除機を買い替え、安全確保に努めてください。

ちなみにペットショップなどで販売されているペット用家電製品は電源コード部分を犬が噛んでも破損しにくいように特別加工しています。

もちろん力の強い犬や中大型犬が噛みつけば破損することはありますが、一般的な人間用家電製品に比べるとその確率は低く工夫されています。

残念ながらペットと暮らす家庭用に電源コードが補強された掃除機はまだ市販品がないので、一般的な掃除機で安全確保に努めるしか方法はありません。

■家族の対応は冷静であることが効果的

掃除機に過剰な反応を示してしまう愛犬に家族が取り勝ちな行動を挙げると

 

・低い声で叱る

・無視をする

・愛犬を叩く

・愛犬を抱き上げ、拘束しておく

 

などがあります。残念ながらどれも愛犬の問題行動を加速させる結果になり逆効果といえるものばかりです。

なぜなら、これらの方法のどれであっても愛犬の感じている恐怖心や警戒心を払拭できていないからです。

家族が愛犬を叱ったものの、効果が無い、愛犬が落ち着かない時、家族もどんどんヒートアップし、次第に叱り方も激しくなるでしょう。

家族がヒートアップする様子を愛犬が感じ取れば、愛犬も増々パニックを加速させます。

お互いが掃除機が登場したことで、普段とは違う心理状態に陥ってしまうのですから、解決の使用がありません。

愛犬の苦手意識を克服するためには、掃除機に向かってパニックを起こす愛犬を前に家族はあえて冷静さを保つことが大切です。

家族が掃除機の登場にまるで動じていないと愛犬が理解することで、掃除機を大したことの無い存在だと愛犬が理解してくれます。

吠え続ける愛犬に苛立ちを覚えてしまうこともありますが、トラウマ克服に向けおおらかな気持ちでしつけに取り組んでゆきましょう。