愛猫のその行動危ないかも!!見逃さないで!猫からの病気のサイン

 

おうちで飼っている猫ちゃん、いつまでも元気で長生きしてほしいですよね。

20歳を越えても元気でいてもらうためには、病気の早期発見は重要です。

言葉を話せない猫ちゃんの異変に、少しでも早く気付けるように、猫に多い病気とよく見られる行動を紹介するので、当てはまる症状がないかチェックしてみてくださいね。

 

下部尿路疾患

膀胱から尿道までの下部尿路に起こる疾患のことです。

尿結石、尿道閉塞、膀胱炎などを総称して下部尿路疾患と呼びます。

猫によくみられ、猫種や年齢、遺伝や環境などにも左右されます。

放っておくと命に関わることもあるので、病気のことを正しく理解して、早期発見に繋げてくださいね。おうちで簡単にできる対策もあるので、ぜひ試してみてください。

 

尿結石

尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結晶、結石ができることです。

比較的若齢期に多いストルバイトとシニア期に多いシュウ酸カルシウムという種類があります。

どちらもおしっこのph(酸性やアルカリ性を表す数値)が通常よりどちらかに傾くことにより出来やすくなります。

これには水分摂取量や太りすぎ、人間の食べ物を与えていることなどが影響してきます。

いつでもお水が飲めるように色々なところにお水の容器を置いたり、おもちゃを使ったりして遊んで運動させるようにしてあげましょう。

人間の食べ物は猫には塩分が多かったりするので、絶対に与えないでくださいね。

 

結晶は尿に混ざって出てくるので、尿が光に当たるとキラキラして見えることがあります。おうちの子の尿がキラキラしてるように見えたら、結晶が出ている可能性があるので、採尿して動物病院で検査してもらいましょう。尿を顕微鏡でみると、結晶を見つけることができます。

また、尿のphも調べてもらえます。気になる方はどちらも院内で簡単にできる検査なので、気軽に病院で尋ねてみてくださいね。

 

症状

・おしっこがキラキラしている(ざらざらしている)

・尿失敗

・血尿

・おしっこをする時に鳴く

・詰まると尿道閉塞に

 

尿道閉塞

尿路がふさがり、尿が出にくくなったり、全く出なくなることです。

主に尿結石が詰まることが原因で、雌よりも雄の方が尿道が細くて長く、さらに先端がカーブして細くなっているので詰まりやすいです。

全く出なくなると、急性腎不全や尿毒症(尿と一緒に排出されるはずの毒素が体内に残ってしまっていること)になり、放っておくと命を落とします。

丸1日以上おしっこが出ていないと危険なので、すぐに動物病院へ行くようにしてください。

閉塞している場合の処置は、尿道からカテーテルを入れて、詰まっている結石を膀胱に押し戻します。

これがなかなか大変で、すぐに押し戻すことができればいいのですが、そう簡単にいかないことも多いです。

もちろん猫は嫌がるので、処置の間はおさえておかなければならず、痛いし不快だし、猫には相当なストレスです。(麻酔、鎮静下で行うこともあります。)頻繁に詰まってしまう場合や大きな石がたくさんある場合は、手術をして直接石を取り出すこともあります。

 

症状

・何度もトイレへ行く

・おしっこの姿勢をしているのに出ていないorぽたぽたのみ

・おしっこする時に鳴く

・尿失敗

・血尿

・おしっこがキラキラしている(ざらざらしている)

放置すると

・急性腎不全

・尿毒症

 

膀胱炎

何らかの原因で膀胱に炎症が起こることです。

細菌感染や結石によるものと原因が不明な特発性があります。

特発性なことが多く、ストレスや肥満が原因の1つとも言われていますが、検査をしても原因が分からないのが特徴です。

引っ越しや他の猫を迎えたり、工事で騒音があるなど、猫にとってストレスとなることがないか飼い主さんに考えてもらい、除去できることなら除去してもらい、ストレスを減らす必要があります。

人間の膀胱炎と同じで、おしっこを我慢するのは良くないので、猫がトイレへ行きやすい環境を作ってあげましょう。

トイレはこまめに掃除して清潔に保つようにしてあげてくださいね。

また、猫は元々あまり水分を摂らないので、たくさんお水を飲めるように色々なところにお水の容器を置くなどして水分摂取を促しましょう。

どうしてもあまり水分を摂ってくれない場合は、ドライフードよりも水分含有量の多いウェットフードに変更してみてもいいかもしれません。

 

症状

・何度もトイレ行く

・おしっこの姿勢をしているのに出ていないorぽたぽたのみ

・おしっこをする時に鳴く

・赤い尿(血尿)が出ている

 

腎不全

急性と慢性があり、急性は尿道閉塞などが原因で急に起こり、急激に悪くなりますが、迅速にきちんと適切な処置をできれば良くなることもあります。

一方慢性は、長い時間をかけてじわじわと悪くなってきているので、症状が現れているときには腎臓が相当なダメージを受けていて、治すことはできません。

高齢になると、猫の8割が腎不全を患うと言われているほど多くみられ、フードを変えてみたり、毎日点滴に通ったり、飼い主さんもとても頑張っておられますが、完治できる病気でもなく、猫と飼い主さん達を苦しめています。

腎臓は1度悪くなると元に戻すことはできないので、食事療法や投薬、点滴などで進行を遅らせ、病気とつき合っていくことになります。

 

症状

・多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこをたくさんすること)

・食欲低下

・尿量減少

・嘔吐

・体重減少

 

悪化すると

・尿毒症(口からアンモニア臭がすることも)

 

その他の病気

次は、泌尿器系の病気の他にも猫に多くみられる病気をみていきましょう。

こちらも命に関わることもある病気ばかりなので、日頃から注意して症状を見逃さないようにして、予防できることは事前にしてあげてくださいね。

 

乳腺腫瘍

猫の乳腺腫瘍は8割以上が悪性であると言われており、悪性の場合は、リンパ節や肺などへの転移も多くみられます。

転移があると予後は不良で、生存期間もかなり短くなると報告されています。

悪性の可能性の方が高いので、乳腺にしこりが見付かった場合は、転移していると仮定して、飼い主さんと相談した上で、片側すべてや両側すべての乳腺を取り除くこともあります。

片側、両側、すべての乳腺を摘出するとなると、手術の範囲がかなり広くなり、猫への負担も大きくなります。

人間でいうと肩から腰までぐらいになるので、考えただけで痛いですよね。

腫瘍の大きさが3cm以上で転移があると考えられているので、それより小さいうちに見つけて取り除くことが重要です。

猫の乳腺は左右4対で合計8個あり、前肢のつけ根あたりから後肢のつけ根あたりまでに広がっているので、乳首の周りを中心に日頃からよく触り、小さいうちに見つけてあげられるようにしましょう。

また、6ヶ月までの避妊手術で9割ほど乳腺腫瘍発生のリスクを低減できるという報告があるので、避妊手術は早めに行ってあげましょう。

避妊手術もお腹を開ける手術になりますが、腫瘍ができて調子が悪くなってから大きな手術をすることを考えると、若くて元気なうちに避妊手術を受ける方が麻酔のリスクも低くなります。

わずかですが、雄猫での報告もあるので、雄だからと油断せず、日頃からスキンシップの一環としてしこりがないか触るようにしてあげてくださいね。

小さくても怪しいものがみつかれば、早めに来院して診察してもらいましょう。

 

症状

・腫瘍が小さければ特に猫本人も気にする様子もなく普段通り

・腫瘍が大きくなると気にして舐めたり、噛んだりしてしまうことも。

・自壊(腫瘍が潰れること)すると臭いと出血、浸出液、痛み

 

肥大型心筋症

猫に多い心臓病で、左側の左心室の筋肉の壁がどんどん厚くなり、心臓の働きが低下します。

メインクーンやラグドールなど、遺伝的に多いと言われる猫種もあり、定期的に心臓エコー検査を行い、すぐに異常に気付けるようにしてあげましょう。

初期症状はほぼないので、おうちで飼い主さんが気付くことは難しく、こまめに健康診断を受けるようにして、早めに見つけられるようにしてあげてくださいね。

病気が進むと、血栓ができることがあり、これが詰まり血流を止めてしまうと、詰まる場所により障害を引き起こします。

後肢で詰まることが多く、動脈血栓塞栓症と呼ばれ、後肢が麻痺してしまうこともあります。また血液循環が悪化してくると、肺水腫や、胸水が溜まり、危険な状態になります。

治る病気ではないので、投薬などの処置を行い、進行を遅らせることが重要になります。

1度投薬が始まると、薬は一生涯必要になり、検査代と薬代が毎月かかることになります。

好発猫種をおうちに迎えようと考えている場合は、病気のことをよく理解した上で迎えてあげてくださいね。

 

症状

・初期症状はほぼなし

 

進行すると

・呼吸数増加

・開口呼吸(口を開けてハアハア息をすること)

・元気低下

 

歯周病

歯に歯石がつき、それにより歯肉などの歯周組織に炎症が起こることです。

猫はご飯を食べて、歯垢が付いてから歯石になるまでが7日ほどと人間の約3倍ほどのスピードなので、歯石が付きやすいです。

さらに毎食後どころか歯磨きをすることも嫌がられて難しいので、なかなか歯垢の段階で落としてあげることができません。

歯垢が歯石になってしまうと、どれだけ必死に歯磨きをしても落とすことはできないので、麻酔をかけて歯石除去(スケーリング)が必要になります。

犬に比べると少ないとも言われていますが、猫のスケーリングも多く、口を触らせてくれる子があまりいないので、気付いた頃には手遅れで、全抜歯になる子もいました。

歯が全部なくなってもご飯は食べられますが、抜歯は処置後も出血が多く、見ているだけで痛そうです。

処置をせずに、歯を綺麗に残してあげられるに越したことはないですよね。

歯磨きができれば1番いいのですが、難しい場合は、歯垢が取れやすいご飯やおやつを選ぶなど対策してあげましょう。

また、いきなり歯ブラシを使っての歯磨きはできないので、口を触ることに慣れさせるところから始めて、徐々に磨けるように練習していってください。

 

症状

・口周りを気にして前肢でしきりに触る

・口の片側だけを使って食べている

・よだれが多い

・口臭がきつい

・歯が汚れている

・食欲低下

 

誤食

これは病気ではありませんが、犬猫問わず多いです。

何事もなく便から食べたものが出てくれればいいのですが、途中で詰まってしまった場合は、手術が必要になることもあります。

胃までのものは内視鏡で取り出したり、吐かせたりできますが、鋭利なものや有害なもの、胃を過ぎているものはお腹を開けて取り出さなければなりません。

術後の猫へのダメージも相当ですし、費用もかかります。

また、吐かせることも薬を使って無理矢理吐かせることになるので、異物を吐き出した後もしばらく吐き気が止まらないこともあります。人間でも吐くことって疲れますよね。

猫も一緒なので、こういった処置をしなくてもいいように対策してあげてくださいね。

 

猫では特に、ひも状のおもちゃを遊んでるうちに食べてしまうことが多いので、遊ぶときは注意しましょう。

ひも状の異物は腸でひっかかり、腸がアコーディオン状になってしまいます。

無理に引っ張ると破れてしまう恐れがあり危険です。

手術で取り出す際は、少しずつ切って取り出すを慎重に繰り返す必要があります。

留守にするときはおもちゃは片付けて出せないようにしたり、定期的におもちゃのメンテナンスを行い、壊れそうなものはないかなどチェックして、食べてしまわないように最善の注意を払ってくださいね。猫に食べたらダメ!

と怒っても聞いてはくれないので、飼い主さんがおうちで気を付けられることは気を付けて、誤食しない環境を作ってあげてください。

 

症状

・嘔吐

・食欲不振

・腹痛

・元気低下

 

まとめ

些細な行動では、動物病院へ連れていくのを躊躇ってしまう気持ちも分かりますが、病院へ行って何もなければそれでもいいのです。

決定的なことが起こって、症状が現れてからでは手遅れになることもあるので、些細なことでもいつもと違うのであれば、病院へ行ってください。

猫は痛くても気持ち悪くてもしんどくても、喋ることができないので、伝えられません。

飼い主さんがいち早く気付いてあげることが長生きの秘訣になります。

日頃からおうちの子をよく見てあげて、少しでもおかしいと感じれば、動物病院に連れていってあげてくださいね。