動物看護士が教える愛犬にあったトイレ選び!
わんちゃんは散歩に行った時に排泄することが多く、家では排泄しないので、トイレは用意していない家庭も多いと思います。
しかし、災害の時、高齢になった時、病気になった時など、おうちのトイレで排泄できるようになっていると助かる場面がたくさんあります。
トイレを準備するにあたって、まずはトイレの種類や特徴を知ってみましょう。
トイレの種類
猫ほどではありませんが、犬のトイレにもいくつか種類があります。
その子によって使いやすいものや気に入らないものなどもあると思います。
また、家の広さや置く場所により、置けるものも変わってきますよね。
どんなものがおうちの子には合っているのか、家にはどんなものがちょうどよいのか、考えてみましょう。
トイレトレー
犬用トイレと言われれば、真っ先に思い浮かぶ定番の形のトイレです。
わんちゃんを家に迎える準備物に含まれていることも多いので、とりあえず家にあるという方も多いかもしれません。
プラスチックの枠にペットシートを挟んで使います。
ペットシートを誤食しないように上からメッシュで押さえるタイプのものもあります。
プラスチックなので汚れが付いてしまった場合でも拭き取ることができ、丸ごと水洗いもできるので、衛生的ですね。
注意点
メッシュの大きさによって、わんちゃんの爪が引っ掛かってしまうことがあり、ケガに繋がる恐れがあります。
爪が剥がれると、出血も多く、痛みもあるので、気を付けてあげましょう。
また、1度トイレで痛い思いをしてしまうと、嫌な思いが残り、トイレという場所自体が嫌いになってしまい、トイレに近付くことさえしなくなってしまうかもしれません。
頻繁に起こることではありませんが、気を付けてあけるようにしてくださいね。
誤食の心配のない子であれば、メッシュが付属していない、ペットシートの端を挟むだけのタイプのものもあるので、そちらを選んでもいいかもしれません。
サイズは小さめなものから、大きいものまで色々あるので、その子の身体の大きさにあったものを選んであげることができます。
また、デザイン性の高いものも販売されているので、おしゃれにこだわるおうちでは、部屋のイメージと合わせて選ぶこともできますね。
足をあげるタイプ
男の子は、マーキングで電信柱などに足をあげておしっこをする癖がついてしまっており、おうちでする時も足をあげてしまう子が多くいます。
そういう子のために、電信柱に見立てた小さい棒がセットになっているトイレやL字型に壁に立て掛けることができるトイレなども売られています。
L字型になるタイプのものは、広げるとフラットな大きなトイレトレーになるものもあるので、広いトイレとしても使用することができます。
壁におしっこをかけられてしまったりして、困っている場合はこちらのトイレを試してみてもいいかもしれません。もし、壁にしなかったとしても、広げて大きく使えるので試しやすいですね。
棒付きのものは、棒を付ける位置を飼い主さんが調整できるようになっていますが、初めのうちはどこに付ければ外に飛び散らずベストな位置なのか分からず、苦戦するかもしれません。
1度場所が決まれば、問題なく使えるようになりますが、棒にもおしっこがかかるので、拭いたり洗ったりする必要があります。
また、棒をおもちゃと思い、噛んだりしてしまう恐れがあるので気を付けましょう。
囲いタイプ
サークルのように広い範囲を大きく囲われているタイプや、猫のトイレのように入口部分以外に少し高さがあり囲われているタイプのものもあります。
トイレの周りに飛び散ることもなく、囲われているので落ち着いて排泄することができそうですよね。
排泄前、円を描きながら落ち着きなくくるくる回るという子も多いと思うので、そういう子にも十分な広さを確保してあげることができます。
特に大型犬や多頭飼いのおうちでは、広い囲いタイプのものが使いやすいようです。かなり大きいものもあるので、置く場所を考えて購入するようにしてくださいね。
補足
ペットシートにも様々なものがあります。
分厚いものや薄いもの、よく吸水するもの、いまいちなもの、さらには匂いが付いているものや消臭効果のあるものまであります。
おうちの方の好みで選んでもらうことになりますが、匂いのきついものは犬が嫌がる可能性もあります。消臭効果はどこまで効果があるのか分かりませんが、リビングやダイニングなど、人がよく集まる匂いの気になる場所の近くのトイレには使ってみてもいいかもしれません。
大容量で安く売っているものはペラペラで薄く、吸水力がそれほどないものが多いです。
汚れたら頻繁に取り替えることができるのであれば、これらの薄いものでも十分ですし、日中留守にするので取り替えてあげられない場合は、分厚くよく吸水するものを使うなど使い分けもおすすめです。
また、洗って何度も使えるペットシートのような吸水するおしっこマットも販売されているようです。
実物を手にしたことがないので、洗う手間や耐久性、吸水力など心配な点は多々ありますが、実用的であれば、ペットシートほどお金もかからず経済的で、ごみの削減にもなりエコですよね。
選ぶポイント
犬用トイレにどんなものがあるのかを紹介しました。
続いては、選ぶ際のポイントをみていきましょう。どんなものがおうちの子やご自宅に合っているのか、いくつかポイントを挙げるので、参考にしてみてください。
タイプ
まず始めは、どのタイプのトイレにするのかを選んであげる必要があります。先ほどご紹介したトイレの中から、わんちゃん本人が使いやすい、合ったものを選んであげるようにしてくださいね。
- フラットなトイレトレー
とりあえずトイレを用意するならこれ!どこのペットショップにでも置いていて、お値段も手頃で大きさも色々あるので、おうちの子のサイズに合わせてすぐに準備してあげることができます。
- 足をあげても大丈夫なように壁に立て掛けるタイプ
外で足をあげてする子は、念のためこれを選んでみてもいいかもしれません。立て掛ける必要がなければ、広げて大きめのトイレとしても使えるので、一石二鳥です。
棒付きのものは、あまり売っているのを見かけないのでインターネットなどから購入する必要があり、時間に余裕をもって手配する必要があります。
棒を付けなければ、普通のトイレトレーになるので、棒が必要でなかった場合にも使用できます。(棒がなければ、普通のトイレトレーと変わりないかもしれませんが…)
- 囲いが付いているもの
大型犬、多頭飼いのおうちでは大きな囲いのトイレがおすすめです。
ただ、大きいものは本当に大きいので置く場所に気を付けてくださいね。
小さめの猫トイレのような囲いのトイレは、排泄物を隠すことができるので外観は損ねませんが、一方で見えないので排泄に気付くのが遅れることも考えられます。
囲いが高いものだと、隠れられるので怖がりな子にはちょうどいいかもしれませんね。
また、高齢犬の場合は、足が引っ掛からないように、できるだけ段差がないものを選んであげるようにしましょう。
人間も同じですが、高齢になってくると足が上がらなくなってきて、少しの段差でもつまずいたりするようになってしまいます。
高齢犬が転倒して、骨折でもしたら大変です。快適に暮らせるように、気を付けてあげてくださいね。
大きさ
トイレが小さすぎると身体がはみ出てしまい、せっかくトイレまで行けているのに失敗してしまうこともあります。
我が家では昔、ミニチュアダックスフントを飼っていましたが、小型犬用のトイレで少し小さかったようで、いつも前はきちんとトイレに入っているのに後ろがはみ出てしまっており、トイレの縁と外側におしっこをしてしまっていました。
せっかくトイレで出来ているのにそれではもったいないので、「小型犬用」「大型犬用」などの表示に惑わされず、おうちの子の身体より一回りぐらい余裕のあるものを選んであげましょう。
トイレの中でぐるぐる回ったりもできるので、落ち着いて使うことができ、成功頻度も上がるかもしれませんね。
おうちの子の使いやすいサイズでと、大きすぎるものを選ぶとおうちによってはトイレが部屋の大半を占めることになってしまうかもしれません。
部屋の広さも考慮して、邪魔にならない大きさのもの、もしくは調整できるものを選んでくださいね。
掃除しやすさ
トイレの掃除は毎日のことなので、できれば簡単な方がいいですよね。
こまめにペットシートを換えないと臭いも残ってしまいますし、衛生的に良くないてすよね。
作りがシンプルなものは、毎日汚れたらペットシートを替えるだけで十分ですが、部品が多く、分解するのも大変なものだと、いちいち掃除するのも面倒で、ペットシートだけを交換しても、本体に汚れが残っており、臭いの元になってしまうこともあるかもしれません。
特にメッシュタイプのものだと、メッシュ部分におしっこが付くと拭くだけでは取れないこともあり、こすって洗う必要があったりと少し手間がかかります。
メッシュ部分を取り外せるようになっているものもあるので、誤食の恐れのある子犬や初めのうちはメッシュを付けて、ペットシートを噛んだり、引っ張ったりできないようにしておき、大人になり大丈夫そうであればメッシュを取り外すことができるように、購入する際に取り外しが可能か確認して選んでみるのもいいかもしれませんね。
大型犬や多頭飼いのおうち向けの囲いタイプは広いので、かなりの枚数のペットシートが必要になりますが、作りはシンプルで、汚れたところだけを交換すればいいので、お掃除自体はそこまで手間ではないようです。こちらはメッシュなどは付いていないことがほとんどなので、誤食の恐れのある子にはおすすめできませんが、誤食の心配のない子であれば、問題なく使ってもらえると思います。
注意点
※ペットシートは水分で膨らみゼリー状になる素材を中に使っているものがほとんどなので、誤食してしまうと身体の中で膨らみ閉塞してしまう恐れがあります。
大変危険なので、大量に食べてしまわないように気を付けてください。誤食してしまい、手術入院になることを考えると、掃除の手間など可愛いものです。
少しでも怪しい場合は、メッシュタイプのものを使うようにし、防げる事故は防ぎましょう。
さらに楽をしたい人には、最新のもので、自動でシートを巻き取り交換してくれるトイレもあるようです。
専用のシートを購入する必要があり、本体、専用シート共にそれなりのお値段がしますが、わんちゃんがトイレに乗って降りた後に自動で巻き取るように設定ができたり、時間を決めてその時間になると交換するようにできるようなので、お金をかけても自分で掃除をしたくない!という方や忙しい方にはいいのかもしれませんね。
また、ペットシートを敷く必要がなく、おしっこが下に溜まるようになっており、溜まるとそのままトイレに直接流せるトイレもあるようです。
流した後は水洗いをするだけで良いようです。ある程度の量は溜めれるようですが、匂いなど衛生面が少し心配ですね。
長時間放置することなく、おしっこをしたらすぐに流して洗ってあげられる環境であれば、ペットシート代もかからず経済的かもしれません。
質感
あまり多くありませんが、稀に足触りによって排泄場所を選ぶ子もいます。初めにタオルの上でおしっこをしてしまい、タオルの足触り=おしっこをしていいところと覚えてしまい、タオルがあるとその上でおしっこをしてしまうようになったという話を聞いたことがあります。
そういう子のためなのか、少しでも外の雰囲気を味わうためなのか、人工芝のトイレマットなども売られています。
それ自体には吸水性などトイレとしての機能はないので、ペットシートを下に敷いて、その上に乗せる形で使うことになるようです。人工芝なのでプラスチックで出来ており、丸ごと水洗いできます。
毎回洗うのも大変ですし、室内用というよりはお庭など外のトイレ用かもしれませんね。
まとめ
犬用トイレにも様々な種類があり、一般的なものをいくつか紹介させていただきました。
定番のトイレトレータイプのものがあれば、大きささえ合わせて選んであげれば事足りますが、さらにおうちの子の快適性や利便性を高めてあげるなら、L字型や囲いタイプなどにもチャレンジしてみてください。
わんちゃんにとって合うものを選ぶのはもちろんですが、それを毎日掃除し、綺麗に保つのは飼い主さんの仕事になるので、わんちゃんの使いやすさだけでなく、飼い主さんもある程度楽できるものを選んでくださいね。